ヨドクの家令
テス・プレー
「事件が事件として認識されたとき最初に現場にいた者、第一発見者とは往々にして怪しいものです。ディーコン・スチュワードさん、アスト・グラッドに対してどのように思っていたか、お話いただいてもよろしいでしょうか」
ディーコン・スチュワード
「はい。私は昔、バーンド家の執事をしておりました。メイサ様は覚えてらっしゃらないかもしれませんが、ご主人様と奥様とメイサ様がお屋敷で過ごされていたころの話です。ご主人様と奥様はグラッド家の差し金により亡くなられました。オーナー様が怪我をされたのも、この店がなくなってしまうのもアスト・グラッドの陰謀によるものです。私は何度もメイサ様の大切な方や居場所を奪うグラッド家に憎しみをもっておりました。ですから、私がアスト・グラッドを手にかけた可能性は十分にあると思っております」
メイサ・バーンド
「ディーコンさん、そうだったのですか。だから、あの時、旦那様の発言に怒りを見せておられたのですね。小さいころだったとはいえ、私はほとんど何も覚えていなくて、何も知らないままで」
ディーコン
「いいえ、メイサ様、あなたは大きすぎる悲しみを味わっておられましたし、これまでたくさんご苦労されてきたと思います。お仕えしていたご主人様と奥様、今のメイサ様のことを思うと、アスト・グラッドの言葉がどうしても許せなかったのです」
テス
「以前から憎んでいた気持ちがあり、さらにここでアスト・グラッドの言葉を聞いたことで許せない思いが強くなり、犯行に及んだと?」
ディーコン
「そういうことになると思います。覚えていないからと言って、罪が消えるわけではありませんからね。思い出したとしても、思い出せなかったとしても、罪は償います」
誰かを思い慕う気持ちがなかなか消えないのと同様に、怨毒というのも後々まで残っていくものである。はてさて、この事件の後味はいかほどか。
――余毒の家令
【得点・結果】
ディーコン・スチュワード
-1点×投票された数(自分の票を含む)
メイサに投票していたら+2点
メイサ・バーンド
逃げ切ったので+2点
テス・プレー
メイサに投票していたら+1点
自分に投票していたら0点
ディーコンに投票していたら-1点