top of page
顔 スー.png

20

Joker「僕はスーさんが怪しいと思います。食堂車でベア・アーランと何かを話していたようですが、反応が不自然でした」

 

ジョーカー・馬場が口火を切ると、スー・ウィンストンは納得できないといった表情を見せる。

 

Sue「あれは、別に……」

 

Mag「でも、携帯電話の件は言い逃れができないのではありませんか?私が間違えてアーランさんの部屋に届けてしまった携帯電話を回収したのなら、アーランさんの部屋に侵入したのは間違いないですよね?」

 

口ごもるスーを他所にマッグ・エニーが情報を提示する。それをじっくりと聞いていたテス・プレーが手帳を開きながら立ち上がる。

 

Tess「17:00頃、当初あなたは本当にただ携帯電話を取りに行っただけだったのかもしれません。しかし、侵入した部屋で漏電を起こせそうなケーブルと電気を通しやすい液体を目にしました。感電させる方法を思いつき、そのように仕込んだ、違いますか?」

 

テスの推理を聞いたスーは観念したように笑う。

 

Sue「その通りです。でも、どちらにせよ同じではありませんか?2年後にはどうせ私が殺すんです。むしろ今ここで実行することで食い止められる事件が、取り戻せる人生があるんです。皆さんも一瞬くらいは考えたはずです」

 

邪論でありながら正論で切実なスーの主張に言葉を返せるものはいなかった。沈黙の中にただソナタだけが響いていた。

 

――未来からの教唆

bottom of page