top of page
1
Mag「ジョーカーさん、19:00頃に8号車へ向かっていったのはあなたですよね。その時にアーランさんの部屋を訪れているのではないですか?」
マッグ・エニーがジョーカー・馬場に疑いの目を向けながら話を切り出した。
Sue「私もドアの音や足音を聞いています。戻ってくるまで20分ほどかかっていたと思いますが、その間に殺害したんじゃありませんか?」
スー・ウィンストンがより詳細な情報を持ち出した。
Tess「被害者の首に残った繊維もあなたの手袋のものとよく似ていますから、19:00頃に部屋を訪れて扼殺(やくさつ)したと考えて差し支えないでしょう」
テス・プレーが話をまとめながらダメ押しの一打を入れた。3人の主張を静かに聞いていたジョーカーは一つ息を吐いてから口を開く。
Joker「ここまで言い当てられたら反論するのは無粋だね。父親と妹のいる時間を取り戻せるならと思ったんだ。それに今度は自分の手で、ってね」
言葉を切ったジョーカーは切なさを含ませながら自嘲的に笑う。窓の外に降る雪はまもなく雨に変わろうとしていた。
――泣き笑いのピエロ 再び
bottom of page