top of page

私を選んでくださりありがとうございます。改めまして、探偵テス・プレーと申します。このゲームでは、あなたが私になっていただきます。これから私の過去と覚えている限りの行動をお伝えします。

 

私には妻がいました。妻はルポライターをしていました。

ペンネームはMiss Murder、主に殺人事件を取り上げる記事を書いていました。内容が内容なので、記事を書いたことにより誰かに恨まれる可能性もありました。それを懸念した妻は正体を隠して活動していました。記事の投書も自宅から離れた場所から送っていたようです。いったいいつどこで知られたのか分かりませんが、なぜかアスト・グラッドは妻がMiss Murderであることを知っていました。そのことを黙っている代わりにと妻が書こうとした記事の内容を変えたり、指示したりと、勝手な要望を妻に押し付けていたようです。2年前、妻が亡くなりました。Miss Murderの名は私が継ぎましたが、アストからの脅しや要求は収まりませんでした。正直言って、ひどく目障りな存在です。MissMurderとして活動しているのが私であると不特定多数にばらされるのも困りますし、妻が育ててきたその名を汚されるのも嫌であるため、アストには逆らえずにいます。どうにかこの面倒な関係を断ち切りたいものです。
 

​【間取り・プロフィール】

男性・30~40歳

右利き

​一人称:わたし

​オーナーとの関係:駆け出しの探偵だった頃に、オーナーから迷子猫の依頼を受けて解決した。そのお礼にと、オーナーは商店街や近隣の店舗で探偵事務所の宣伝をしてくれた。依頼が増えて助かっていた。今回は移設のための片づけを手伝ってほしいとの手紙をもらって薬屋に来ることになった。

​【タイムテーブル】

16:30
薬屋に到着。何度も訪れたことはあるので近くまで来ると、場所は自然と思い出された。ここ5年ほど来ていなかった間に商店街一帯が随分と寂れてしまったようだ。この薬屋も移転とのことだが、周囲の店も移転や閉店の貼り紙が目立つ。
下女メイサと名乗った。数年前に下女を雇ったとオーナーからの手紙にも書かれていた

16:45
ディーコン・スチュワードという男性がやってきた。メイサが扉を開けたとき、ディーコンの表情が一瞬揺らいだように見えたが何だったのか

17:00
アスト・グラッドがやって来た。つい怪訝な顔をしてしまった。領主の息子が小さな薬屋の代理オーナーだなんて似合わない。
移転を無理やり進めるためといったような再開発絡みの裏があるに違いない。アストが店に来た直後からメイサが萎縮した様子なのが見てとれた

17:05
薬屋に不釣り合いな代理オーナーが入れた
薬膳茶は非常に不味かった。メイサは味を察したのか口をつけていなかった。私も飲まなければよかったか

17:15
移転のための片付けを開始。そう広くない店だが、なにせ薬が多い。危険度の高い薬と一般的な薬が混ざらないように、薬瓶を破損しないように注意しながら箱詰めしていく。アストは棚や箱の中の薬を物色し始めた。片づけを手伝うつもりはあまりないようだが、帰る気もなさそうだ。
白い粉薬が入っていてD、Eと書かれている2つの小瓶と茶色い錠剤が入っているAと書かれた小瓶を、アストが棚から持ち出して表の部屋に持って行った。

17:45
棚を動かしてほしいとメイサに言われ、小部屋に向かった。要望を遂行し、部屋から出ようとしたところでアストが小部屋に入ってきた。メイサはそのまま部屋を去った。アストは「こないだの事故について何か調べてるか?」と尋ねてきた。再開発の工事現場で作業員数名が怪我をした事故のことだ。ちょうど後ろ暗い事情が掴めてきたところであった。「まだ完璧ではありませんが」と答えると、アストは「その記事は書くな」と言ってきた。「またそういう話ですか、いい加減にしてください」少し声を荒げてしまった。私の態度に苛ついたのか、アストの纏う雰囲気が変わる。「女のあとを継いだだけのエセライターがよ。名前もろとも壊してやってもいいんだぞ」言いながらアストがシャツを掴んでくる。妻が大事に守っていたライター名を汚されるわけにはいかない。「わかりました」そう一言絞りだして手を払う。
軽く払っただけだったが、アストは大げさに後ろによろける素振りを見せた。ちょうどその場面をメイサが見ていたようだった。「アスト様、大丈夫ですか?」メイサがアストの傍に寄る。我ながらよくない態度だとは思ったが、そのやり取りを無視して横を通り過ぎた

18:15

数分前に詰めていた箱に入れ忘れた薬が棚に残っているのを発見した。メイサに、C薬の箱はどこにあったかを聞いた。奥の部屋の隅にあると言われた

18:20

奥の部屋の隅にあるという箱を探しに行った。箱は確かに見つかった。C薬をそこにしまったところで、箱と壁の間にメモが落ちているのを見つけた。右利きの癖のある字で、「10~20代・女:+2.0~2.5hの記憶がなくなる」と書かれていた。他の部分はかすれて読めなかった

18:45

表の部屋で引き続き片づけをしていた。Aと書かれた薬の小瓶がテーブルにぽつんと置かれていた。これもまたあとでどこに入れるか聞かなければと思った

19:00

ディーコンとアストが表の部屋の隅で話し始めた。ディーコンは最初に見たときの印象からは想像もつかないような表情をしていた。アストにかなりの敵意を向けているように見える。バーンド家、という単語が聞こえた。バーンドというと10年ほど前に本家の当主が亡くなり衰退した領主一家だ。パーティーでの銃撃事件があったと当時騒がれていたような覚えがある。その事件にはグラッド家が絡んでいたという噂もあった

19:30~21:00
何をしていたのか全く思い出せない

21:00
休憩にしようということで、表の部屋のテーブルでコーヒーとサンドイッチをいただいた。長丁場になりそうだからとディーコンが準備してきたものだった。メイサ、ディーコンと話をした。そういえばアストはいなかったが、奥の小部屋の戸が閉まっていたのでそこにいたのだと思う。
「ここ一帯で
不自然な交通事故が何件か起こっているようですが、テス・プレー様はご存じですか?」
ディーコンが話を振ってくる。
「いえ、知りませんでしたが、そうなのですか?」
新聞は毎日チェックしているが、そんな話は見たことがない。
「記事にもならないような小さな接触事故ですが、それらの事故で怪我をされたのが、このあたりでお店を経営されている方ばかりでしたので」
そう聞くと、今回の再開発がらみではないかと考えてしまう。
再開発に同意しない店の店主を狙った嫌がらせではないかと。となれば――
「オーナーが怪我をされたのは?」
メイサの方を見て尋ねるが、彼女は首を横に振る。
「申し訳ございません。私にはわかりません」
メイサの表情が暗い。16,7歳と見える彼女に聞かせる話ではなかったかもしれない

??:??

だんだんと眠くなってきて、いつの間にか眠ってしまった

22:00
目が覚めた。完全に目が覚める前に
ガシャンという音が聞こえたような気がした。メイサは椅子にもたれて目をつむっている。この部屋にいないのはディーコンとアストだ。奥の部屋に向かうと、ディーコンが小部屋の前で立ち尽くしていた。こちらに背を向けているので表情はわからない。小部屋の中には頭から血を流して倒れているアストの姿があった。ディーコンの服の胸から下あたりにはところどころ血がついている。しゃがみ込んでアストの状態を確認すると、亡くなっていることが分かった。ディーコンが何か言いかけたが、それを遮って、話はあとにしてほしいこと、現場保存について伝えた。振り返るとメイサがちょうど表の部屋から奥の部屋に入ってくるところだった

22:05
現場の状況をメモに残した。メモを内ポケットにしまおうとしたところで、自分の服装が乱れているのに気が付いた。よく見ると、
右手の甲が赤くなっている服装の乱れは誰かに掴みかかられたから、手の腫れは誰かを殴ったからと考えるのが自然だ。いったい自分は何をしていたのだろうか。

犯行の方法・動機を紐解いて犯人を見つけ出す、と言いたいところだが、記憶のない1時間半が気がかりだ。私はアスト・グラッドに長らく嫌悪感を抱いている。弱みとなり得る秘密も握られていた。やり取りをする中で殺意を持ち、犯行に及んだ可能性も否定できない。探偵として、事件を解き明かす側として、殺害トリックの知識もある。自分が犯人であるという証拠を巧みに隠しながら殺害を実行することは可能だろう。私は探偵として、真摯に事件と向き合い、解き明かすことを目指したい。空白の1時間半に私自身が殺人を犯していたとしても。
 

【テス・プレーの追加情報】

 現場検証のメモを見ることができます

 パスワード:四角に入る文字

​ ※シート確認時間中から閲覧して構いません

memo2.png

【推理・投票】

あなたも含めた3人の中から犯人だと思う人物を選んで投票します

​正しく推理できていると得点が得られます

bottom of page