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私を選んでくださったのですね。プレイヤーさん、こんにちは。

メイサ・バーンドと申します。こちらの薬屋で下女をしています。

このゲームではプレイヤーさんが私となり、事件に参加するそうです。今から私の過去と今日の行動をお話します。どうぞ私の手助けをお願いいたします。


 私は約10年前まで領主であるバーンド家の娘としてお屋敷で暮らしていました。父は本家の長男で家督を継いでいました。執事やらメイドやらがたくさんいたことをぼんやりと覚えています。ある日、父と母がパーティに招待されて出かけていきました。そしてそのまま帰ってきませんでした。行った先で銃撃事件が起き、亡くなったそうです。当時のことはあまり覚えていません。私は分家のおばさんの家に引き取られました。5年ほどそこで過ごしましたが、そんなに楽しい生活ではありませんでした。そのおばさんの知り合いが薬屋の仕事を手伝う下女を探しているということで、私はこの薬屋に送られてきました。オーナーはとても優しい方でした。オーナーが私に仕事を教えてくれているのに、いつもありがとうと私に言ってくれました。この町の方々ともたくさん知り合いになり、毎日楽しく仕事をしていました。でも、1年くらい前から、この辺一帯の再開発の話が出てきて、次々と周りの店が閉店していきました。オーナーは絶対に店を閉めるもんかと言っていましたが、1か月ほど前に事故にあい、腰を痛めてしまいました。代理オーナーとして突然やってきたのは、地主家のアスト・グラッドでした。必要のない薬剤を注文したり、薬剤を持ち出したりと店にとって不利益となる行動ばかりで困っていました。催眠作用のある薬草を持ち出しては人に飲ませて、その結果を報告してくることもあります。実験体になっている方々が不憫でなりません。そして、先週、この店の移転が決まったと突然告げられました。代理オーナーとしての権限を利用して、勝手に話を進めていたようです。最初からアストの目的はそれだったのです。オーナーの怪我の原因となった事故もアストが指示したものだったようです。オーナーを傷つけ、オーナーが大切にしてきたこの店を奪おうとするアストが許せません。

​【間取り・メモ・プロフィール】

女性・16歳

左利き

​一人称:わたし

drug table.PNG

​【タイムテーブル】

16:00
最後のお客様を見送り、店じまいの準備

16:30
テス・プレーさんがやってきた。オーナーの古い知り合いで探偵さんだという

16:45
ディーコン・スチュワードさんがやってきた。どこかで見たことあるような、でも思い出せない

17:00
アスト・グラッドがやってきた。この人を前にすると、緊張とともに怒りが湧いてくる。今日ここで殺してしまえば、移転の話もなくなるかな、なんて物騒なことが頭をよぎる

17:05
アストが薬膳茶をふるまうという。いつもろくなものを作らないし、変な薬草を入れるから不安だ。アストが入れて持って来たものは薬膳茶などではなかった。アストがよく持ち出す催眠作用のある薬草のにおいがした。指摘しようとしたが、睨まれたので言えなかった。アストの話によると、一定量飲まされたものは数時間後に眠気を訴えて眠り、起きたときには記憶が一部飛んでいるらしい。そんなものを興味本位で人に飲ませるなんておかしい。私は口をつけなかった

17:15
移転のための片づけが始まってしまった。これが終われば本当にもうこの店は閉じることになるのだ。ちゃんと整理のついていない気持ちのまま箱詰めをお願いしていく

17:45
奥の小部屋に重くて動かない棚があったので、テスさんにお願いして動かしてもらった。私が部屋を出ようとしたのと入れ替わりでアストが部屋に入ってきた。テスさんとアストが部屋に残り、何やら話をしていた。「きじ」「らいたー」という言葉が聞こえたあと、語気を荒げたテスさんがアストを突き飛ばしたように見えた。アストとテスさんは初対面ではないのだろうか。私は体裁上、心配げにアストの方に駆け寄っておく

18:00
あの薬草に関する実験のメモが出てきた。右利きの癖の強い字なのでアストの字だとすぐにわかる。「30~40代・男:+4.5hで眠る. +2.5~4.0hの記憶がなくなる//50~60代・男:+4.5hで傾眠. +3.5~4.5hの記憶がなくなる」と書かれていた。他の年代について書かれたメモもあったが、女性の場合について書かれたものは見当たらなかった。これが本当なら、テスさんはだいたい19:30~21:00の記憶が飛び、ディーコンさんはだいたい20:30~21:30の記憶が飛ぶということになる

18:15

C薬を入れていた箱はどこかとテスさんに聞かれた。ぼーっとしていて何も聞き返さずに「奥の部屋の隅にあります」と答えてしまったが、目的は何だったのだろう。C薬は睡眠薬、さっきのアストみたいに飲み物に入れて人に飲ませるという悪用ができなくもない。テスさんはアストをよく思っていないようだったし。と考えたところで、それを逆に利用する方法を思いついた

18:20

表の部屋に行くと、テーブルの上にA薬、D薬、E薬の小瓶が置かれていた。D薬とE薬はアルコールと飲み合わせ注意のものだ。私はその2つを持ってお酒を探しに向かった

18:45

奥の部屋でお酒を探していた。アストが勝手に買ってきては置いているお酒がどこかにあるはずだ

19:00

お酒を見つけた。3人とも表の部屋で作業をしているので、奥の部屋には自分以外誰もいない。先ほど、表の部屋から持って来たD薬とE薬をその酒の中に溶かした。アストは作業がひと段落すれば、お酒を飲み始めるはずだ。実際どのくらいの効き目があるのかはわからないけれど、少なくとも深酔い状態にはなるはず。オーナーと私の居場所をつぶそうとした罪をお酒と一緒に味わえばいい、なんて思った。お酒の瓶を目につきやすいところに置いておいた

19:30
「この酒瓶はどこに入れますか?」
さっき私が薬を混ぜたお酒の瓶を持ちながらテスさんが尋ねてくる。
「えーと、そうですね――」
「おお、いいのがあるじゃねぇか。もらってくよ」
私が答えるより前にアストがそう言ってやってくる。テスさんから酒瓶を奪い取り、表の部屋へ持って行こうとする。
「アスト様、飲みすぎるとお身体に悪いですから程々になさってくださいね」
私はアストの背にそう告げる。人は制止されると反発したくなるものだ。少しでも多く飲んでくれれば、と悪い考えが頭をよぎった

20:00
アストの様子を確認するために表の部屋の近くまで行くと、アストとディーコンさんが話をしているのが聞こえてきた。
「こんなちっぽけな店、つぶすのなんて簡単なんだよ。他の店もそうさ。古い商店街なんていらねぇ。俺たちが新しい街を作ってやるのさ。オーナーは動けないし、あのバカな女は俺が何をしようとしてるかも知らずにただ仕事をしてたんだよ」
怒りに任せて持っている薬瓶を投げつけてしまおうかと思ったが、それよりも先にディーコンさんがアストの胸倉をつかんだ。ディーコンさんの行動の意図はわからない。いったい何に反応して怒ったのかもわからない。だけど、ただ強い憎悪は感じられた。アストはそれにずいぶんと驚いた様子で、ディーコンさんを突き飛ばすようにして立ち上がった。そして酒瓶を持ってこちらの部屋に向かってくる。私は慌てて箱の陰に隠れた

20:10
アストはそのまま小部屋の方へ向かっていった。小部屋ではちょうどテスさんが作業をしているはずだ。虫の居所が悪いであろうアストは部屋の中で何やらテスさんに話を吹っ掛け始めた

20:15
「離せ、触るな」
強い口調でテスさんがそう言うのが聞こえた後、ドンという鈍い音がした

20:20
テスさんが小部屋から出てきて荒々しく戸を閉めた。少し怖い。テスさんはキッチンのシンクで顔を洗った後、「すみません」とひとこと言って表の部屋へ向かった

20:30
表の部屋を覗きに行くと、テスさんがカバンの前にしゃがみ込んでいた。女性と男性、二人の人物が写っている写真を握りしめていた

20:50
小部屋にものを取りに行くついでにアストの様子を確認することにした。アストは小部屋の床で伸びていた。予想した通り、かなりの深酔い状態になっていた。テスさんに殴られたのか、頭の左の部分が赤くなっていた

21:00
休憩にしませんか、とディーコンさんに声をかけると、コーヒーと軽食を持ってきているとの返答があった。テスさんにも声をかけて、表の部屋のテーブルにつく。3人でサンドイッチをつまみながら、コーヒーを飲んだ。
ディーコンさんが不自然な交通事故について話し始めた。テスさんは知らないようだったけれど、私は当然知っている。オーナーもその被害者の一人だからだ。再開発による閉店や移転に従わない人たちが事故にあって怪我をしている。みんなアストにやられたのだ。
「オーナーが怪我をされたのは?」
テスさんも何か感づいたようで、含みを持たせながら私に尋ねてくる。でも、あまり答えたくはなかったので、首を横に振った。
「申し訳ございません。私にはわかりません」
何も知らない、無垢な下女のふりをした

21:30
2人が眠ってしまった。アストの様子を見に行くことにする。小部屋に入ると、帳簿用デスクの上のお酒の瓶が目についた。このままにしておくと、私が意図的に薬を混ぜたことがわかってしまうかもしれない。私は瓶を持ち出して、キッチンへ向かった。6分の1ほどしか残っていない中身を捨て、瓶を水洗いする

21:40
洗ったところでこの瓶をどうしようか、と思った。瓶を片手にアストを眺めていると、一発殴っておきたくなった。この店を、街を、平穏を返してよ。そんなことを思いながら、左頭部をゴツンと瓶で殴った。テスさんが殴ったであろう場所と同じところ。瓶の一部が欠けるように割れて、アストの頭から血が流れ出した。一瞬ハッとしたが、数時間前のアストの台詞や殴った時の気持ちを思い出すと、どうでもよくなり、処置をする気にはなれなかった。お酒に混ぜた薬が効いているなら、昏睡か失血でそのうち死んでしまうだろうと思った

21:45
このまま瓶を完全に割ってしまおうかと考えたが、あまり大きな音を立てたくはない。少し思案して、近くにあった椅子にのぼった。私がぎりぎり通れるくらいまで戸を閉め、その戸のへりに瓶を置く。誰かが戸を開けると、その時に瓶が落ちて割れる仕掛けだ。そっと小部屋を出て、キッチンへ向かう。入念に手を洗っていると、服についていたであろう瓶の欠片が床に落ちる微かな音がした。軽く探したが見当たらなかったので、表の部屋のテーブルへ戻った。あとはこのまま誰かが起きるまで目を閉じていよう

21:55~22:00

誰かが立ち上がって移動したのが分かった。ガシャン、という音がした。まだ目は開けない。もう一人が立ち上がって奥の部屋へ向かったのがわかった。1分ほど待ってから追いかけると、「殺人事件の現場」という言葉が聞こえた。本当にアストは死んでしまった。薬による昏睡か、頭の出血か、はたまた両方か、いずれにせよ原因は私にある


私のしたことで人が死んだ、そう考えると、取り返しのつかないことをした、と思う。でも、アストは憎むべき存在だった。私以外にもそう思っている人はたくさんいるはずだ。再開発がなくなればみんな喜ぶ。テスさんやディーコンさんもアストと何か軋轢があるようだった。私のしたことも許されないことだとはわかっているけれど、もしこのまま事件がうやむやになって終わったなら、もう一度、オーナーとの平穏な日々を過ごしたい。
 

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