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エピローグ

あ、私ですか。選んでくださってどうもありがとうございます。

すみません、少し緊張していて。私はマッグ・エニー、銀行員をしています。

このゲームでは、あなたが私の代わりになって動いてくださるんですよね?

すべてをお話しておきます。どうかよろしくお願いします。

 

このご時世ですから、仕事があるだけでもありがたい、それは分かっているのですけれど、契約社員というのは辛いものですね。もうすぐ契約を切られてしまうんです。最後に何とか業績を上げられればと思いましたが、選ぶ相手を間違ってしまったみたいです。私は数か月前からベア・アーランさんとサーカス団の間の融資を担当していました。契約内容がところどころおかしいということには気づいていましたが、この機を逃すと成果が上げられないと思って、見て見ぬふりをしてしまいました。ベア・アーランさんは高い地位のある方ですし、上手く行けばインセンティブをくださるとおっしゃいましたし。決算が少し遅れているとか何とかで、融資の際にお金が足りないということがありましたが、そこは私が補填しました。あとで返してくださるとのお話でした。でも、これらは全て嘘だったんです。私はベア・アーランさんに騙されてしまったようです。お金は返ってこない、インセンティブもいただけない、サーカス団からは契約内容についてクレームの電話、会社の上司からは利益を急かされ、生きた心地のしない毎日を過ごしました。

 

そんな時でした。荷物が届いたのです。殺害手順書と言われる類のものです。心身ともに疲れ果てていた私は判断力が鈍っていたのでしょうか。あろうことか、簡単そうだ、と思ってしまったのです。さらにそこには、お金を取り返せるとも書かれていました。お金のため、生活のため、そんな考えから私はこの計画に乗ってしまいました。

 

こんな素敵なホテルに泊まるのも最初で最後かしら。本当は早く自首してしまうべき、分かっています。でもほんの少しの気の迷いだったのです。許してはいただけないかしら。もし逃げおおせたら、これから先ずっと真面目に生きていくと誓いますから。

マップ

スライド8.PNG

​1階

​2階

所持品

所持品

MagM.PNG

社員証(カバンに入ったままだった)

常備薬

化粧品

ハンカチ

​ハサミ(0:20に使用)

タイムテーブル

16:25

ホテルに到着。本当に来てしまった。どうしましょう。このカバンにはナイフが入っているわ。中を見られたらおしまいね。それにこのホテル、想像していたよりずっと立派、私なんかには似合わない。浮いてしまったらどうしようかしら。

 

16:30

チェックイン手続きをしてもらう。優しそうなフロント係さんで良かった。右側のラウンジでは本を読んでいる方がいる。あら、あの方どこかでお見かけしたような……。

 

16:40

手続きの後は予約票にルームキーにカバンにハンカチに荷物がいっぱい。慣れていない感じがしてみっともないわね。そう思っていたらハンカチを落としてしまっていたみたい。まぁ恥ずかしい。紳士的な男性が拾って声をかけてくださったの。でも不思議、何も言っていないのに私が銀行員だと見抜いたみたい。職業病ってどういうことなのでしょう。

 

16:50

手続きを済ませて部屋まで来ただけだけれど、ずいぶん疲れてしまったわ。身の丈に合わないようなことも場所も今回で最後にしましょう。

 

19:20

2時間半も眠ってしまっていたみたい。本当に緊張しているのね、情けない。食事をとって夜風にでも当たって落ち着きましょう。

 

19:30

レストランでの食事はビュッフェ形式。口当たりの良さそうなものを軽く取ることにしたの。座った視線の先にいたのは16:30頃にラウンジで本を読んでいた方。そう、思い出したわ。融資を担当していたサーカス団にいた方ね。サーカス団の倉庫で隠れるように着替えをしているところを見てしまったの。本当は女性だけれど、胸にさらしを当てていて、話し方は男性風で、男性のふりをして過ごしてらっしゃるのね、と思ったの。

 

19:40

ベア・アーランレストランに入ってきたわ。本当にここに泊まっているのね。携帯端末をずっと見ている。私に気付く様子がなくて良かった。

 

20:30

バーでお酒を一杯いただいてから裏庭にでも行きましょう。シラフでいたら不安と緊張でどうにかなりそうと思い、martiniを頼んだ。

 

20:40

ラウンジを抜けて裏庭に出てみた。都市部とは違い、空気が澄んでいて気持ちがいい。

 

21:30

つい長居してしまったわ。身体も少し冷えてしまった。部屋に戻りましょう。

 

21:35

自分の部屋へ戻ってくるとドアノブに巾着袋がかかっていた。中身は客室の鍵。アーランの部屋の鍵とメモに書かれているベア・アーランは私の隣の部屋みたいね。殺害手順書にはこの鍵を受け取ったら1時間後にベア・アーランの部屋に行き殺害を実行するように書かれていたわ。22:35くらいということね。どうしましょう。本当に私が……。

 

21:40

ベア・アーランの部屋のドアが開く音がして鍵が閉まる音がした。そして廊下を歩く足音。ベア・アーランが部屋を出たのかしら。22:30までに戻ってくるといいのだけれど。

 

22:30

1時間ほどずっと耳を澄ませていたけれど足音もドアの開く音も聞こえない。戻ってきていないのかしら。

 

23:30

じっと音を聞くこと2時間。まだのようね。

 

23:55

もうすぐ0時、さすがに戻ってきていないとおかしいわ。私が聞き損ねたのかしら。とりあえず準備をしてしまいましょう。着ている服に返り血を浴びないように上着を上から着ちゃいましょう。ちょうどナイフも上着の中に隠せるわね。手袋と上着はハサミで切ってトイレに流せばいいって書いてあったわ。

 

0:05

部屋の前まで来てしまったわ。他人の部屋の前にいるところを見られたら上手な言い訳をする自信がない。もう入るしかないわね。巾着袋から鍵を取り出す。鍵に引っかかって一緒に出てきてしまったメモは上着のポケットに突っ込んでおく。鍵を開けて中に入った。部屋の電気が消えているから足元に気をつけないと。ベッドへ忍び足で近づく。ベア・アーランがいた。眠っているようだわ。あなたが悪いの、私の平穏な生活を、お金を、信頼を返してちょうだい。胸をひと突き。ナイフは抜かなかった。赤い染みが広がっていくのをぼんやりと見ていた。

※あなたの犯行

 0:05 ベア・アーランの部屋

 ナイフによる刺殺

 

0:20

手袋と上着、巾着袋をハサミで切り刻む。詰まっては困るから何回かに分けてトイレに流した。トイレから出て、なんとなくベア・アーランを見に行った。手を当てても脈は感じられず身体が冷たくなっているのが分かったわ。あぁ本当に殺してしまったのね。私自身の身体も酷く冷たくなっていくのが分かった。寒い。人を殺すと自分も冷たくなるのね、きっと。

 

0:25

ベア・アーランの部屋を出て鍵を閉めた。これできっと明日の朝まで見つからないわ。

 

0:30

自分の部屋に戻ってきた。ベア・アーランの鍵を持ったままなのは良くないわね。窓から投げ捨ててしまいましょう。指紋を綺麗に拭き取って、えいっ! 噴水の見える窓から左に向かって思いっきり投げた。

0:35

ゆっくりお風呂に入る気にはなれなくて、罪と緊張を流すかのようにシャワーを浴びた。

0:50

​心身ともに疲れていたからか、着替えてすぐに眠ってしまった。

8:00 ?

何か電話のような音が聞こえていた気がするが、完全には覚醒していなかったので分からない。

8:10

部屋のドアが叩かれる音で目を覚ました。ドアを開けるとフロント係の方が立っていた。事件が起きたから1階のラウンジに集まって欲しいと説明された。あぁ見つかってしまったのね。

 

8:30

ラウンジには私を含めて3人の宿泊客とこのホテルの従業員。宿泊客のうちの一人は探偵さんだという。職業病ってそういうことだったのね。まぁついてないわね、私。

パスワードを入力すると

追加情報を見ることができます。

​パスワード:E's Hotelの電話番号 末尾4桁

【あなたの勝利条件】

・自分以外のプレイヤーが犯人であると疑われて終わる

 

【知られたくないこと】

・0:05にベア・アーランの部屋へ行って胸にナイフを刺したこと

・担当した融資の案件でベア・アーランに嵌められたこと

 

【ポイントになること】

・ベア・アーランの部屋のドアや鍵の音、足音がした時間

・16:30頃にラウンジで本を読んでいた人物は女性でありながら

 男性のふりをしている。女性であることを知られたくない何かが

 あるのかもしれない

・何者かによってベア・アーランの部屋の鍵があなたに

 受け渡されている。いつどうやって誰が手に入れ、

 あなたの部屋のドアノブにかけたのか

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