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私を選んでいただきありがとうございます。

子爵家で家令をしております、ディーコン・スチュワードと申します。

このゲームでは、プレイヤー様が私の代わりに動いてくださるということで、これから私の過去と本日の行動をお伝えいたします。

 

 

 私は10年前まで、領主であったバーンド家で執事をしておりました。穏やかなご主人様と奥様と可愛らしいお嬢様――お名前でお呼びするならメイサ様となりますが――心配ごとは跡継ぎとなるご子息がいないことくらいで、領主としての才覚もご気性も素晴らしい安定したご一家でした。ある時、別の領主家に招かれてお出掛けになったパーティーで銃撃事件が起きました。それに巻き込まれて、ご主人様と奥様が亡くなられました。お風邪を召されてパーティーには参加されなかったお嬢様だけが残されました。お嬢様は当時5歳、小さな身体と心で受け止め切れる事態ではなく、ご主人様と奥様の死に関する話の一切を拒絶されました。それをいいことに血縁の他家が遺産を勝手に分配し、引き継ぎをすませてしまいました。私は当然解雇となり、お嬢様は遠縁の一家に引き取られました。その後の詳しい経緯は分かりませんが、引き取り先の一家の知り合いが薬屋の助手を探しているとかなんとかで今のオーナー様の元で働くようになったと聞いております。

パーティーでの事件後、急に羽振りが良くなった地主家の一つがグラッド家でした。ご主人様と奥様が亡くなられた事件にグラッド家が関わっていたことは間違いありません。そして今またお嬢様の日常を奪おうとしているのです。二度もお嬢様の幸せを奪おうとしたグラッド家を恨む気持ちは決して小さなものではありません。

​【間取り・プロフィール】

男性・50~60歳

右利き

​一人称:わたくし

​オーナーとの関係:オーナーの一つ前の世代からバーンド家やその分家の御用達の薬屋であった。オーナーとはメイサが引き取られてから手紙をやり取りしていた。

​【タイムテーブル】

16:45

オーナー様からいただいたお手紙に書かれていた住所を参考に薬屋に辿り着きました。扉が開いた先にいたのはメイサ様でした。ご立派になられてと、つい表情が緩んでしまいました。メイサ様は私のことを覚えていないようでした。メイサ様にとっては辛い記憶の中の人物ですから、忘れておいてもらった方が良いかもしれません。もう一名、テス・プレーという探偵さんが先に到着していたようでした

 

17:00

アスト・グラッドが店にやってきました。この辺り一帯の再開発を無理やり進めておられる噂は聞いておりましたが、代理オーナーとして店の中にまで入り込んでいるとは予想外でした

 

17:05

奇妙な味のするお茶をいただきました。アスト・グラッドは薬膳茶だと言っていました。メイサ様がアスト・グラッドに何か言おうとしてやめるような素振りを見せていました。

 

17:15

オーナー様にお願いされていた通り、移転のための片付けを開始しました

 

17:45

小部屋でアスト・グラッドとテス・プレーさんが話し込んでいるようでした。「いい加減にしてください」とテス・プレーさんが低い声で言い返しているのが聞こえました。何か揉めていたのでしょうか

 

18:00

メイサ様が奥の部屋の隅でしゃがんで何かを読んでいるのを目にしながら、表の部屋に行きました。表の部屋のテーブルの上に小瓶が3つ置いてありました。A、D、Eと書かれていました。来たときにはなかったと思いますが、誰が置いたのでしょうか

18:15

メイサ様とテス・プレーさんが何かを話していました。メイサ様は表の部屋へ、テス・プレーさんは奥の部屋の端の方へ行かれました。アスト・グラッドは小部屋にいたと思います。私は奥の部屋の棚を片付けていました

18:20

テス・プレーさんがC薬という文字が書かれた箱を開けていました。しばらくそこにいたようです

18:45

長丁場になるだろうからと持ってきておいたコーヒーを少し飲みました。準備してきたサンドイッチとともに皆さんにもふるまおうかと思いましたが、メイサ様は何やら探し物に忙しくされていて、テス・プレーさんも作業中でしたので、もう少し後にすることにしました

 

19:00

表の部屋で作業をしているとアスト・グラッドが話しかけてきました。

「あんた、あの家にいた執事だろ?」

あの家というのがバーンド家を指していることはすぐに分りました。

「俺らにとっちゃ、人気のある領主は邪魔だったんだよ。ちょっと怪我させるだけのつもりだったんだけどな。まあよくあることだろ、悪く思うなよ」

ご主人様と奥様を巻き込んだ事件をこのように軽く言うなんて許せません。ふつふつと怒りが湧いてきて、アスト・グラッドを睨まずにはいられませんでした。その表情をちょうどテス・プレーさんに見られてしまったかもしれません

 

19:30

「この酒瓶はどこに入れますか?」

テス・プレーさんがそうメイサ様に尋ねていました。酒瓶なんてどこにあったのでしょう。不思議に思っているとアスト・グラッドがやってきて、その酒瓶を持ち去っていきました。酒瓶の中では白い粉のようなものが浮いていました。何か混ぜてあったのでしょうか。アスト・グラッドに飲みすぎないようにと声をかけるメイサ様の顔は笑っていませんでした。こんな表情もされるようになったのかと、ある意味成長を感じました

 

20:00

表の部屋でお酒を飲んでいるアスト・グラッドの近くを通り過ぎようとすると、酔っぱらった様子で話しかけてきました。

「こんなちっぽけな店、つぶすのなんて簡単なんだよ。他の店もそうさ。古い商店街なんていらねぇ。俺たちが新しい街を作ってやるのさ」

無視できそうもない内容につい足を止めてしまいました。

「オーナーは動けないし、あのバカな女は俺が何をしようとしてるかも知らずにただ仕事をしてたんだよ」

お店のみならず、メイサ様自身を貶めるような発言には我慢ができませんでした。気づけば私はアスト・グラッドの胸倉を掴んでいました。次、何か言われたら手を出してしまいそうだと思いました。アスト・グラッドは私の行動に驚いたようで、私を押しのけて部屋から去っていきました。アスト・グラッドが手でつかんでいった酒瓶の中では6分の1ほど残った酒がゆらゆら波打っていました

 

20:15

アスト・グラッドは今度は小部屋でテスさんと揉めているようでした。「黙っててやる代わりに金を払え」というアスト・グラッドの言葉が聞こえました。いったい何の話でしょうか。テス・プレーさんが一方的に脅されているのかと思いきや、テス・プレーさんがアスト・グラッドに言い返す様子も見られました。ドンという鈍い音も聞こえました

 

20:20

小部屋の戸を閉めて出てきたテス・プレーさんは溜息をつきながら顔を洗い、表の部屋へ向かいました。「すみません」とひとこと言っていたような気がします

 

20:30~21:30

何をしていたのか全く思い出せません

 

21:30

眠くなってきて、椅子でうたた寝し始めたと思います

21:45

うとうとしていました。水の流れる音が聞こえたような気がします

 

21:55

目を覚ますと私と同じテーブルを囲んで、テス・プレーさんもメイサ様も眠っていました。そういえばアスト・グラッドの姿が見えません。奥の部屋を見に行くと、小部屋の戸が少し開いていました。テス・プレーさんが20:20に出てきたときはきっちり閉まっていたと思います。気になったので、近づいて戸を開けてみました。何かが目の前をよぎり、ガシャン!!という音が響きました。目線を下にずらすと、血を流して倒れているアスト・グラッドの姿がありました。割れた酒瓶の破片も散らばっていました。私の服にも血が飛んでいました

 

22:00

テス・プレーさんが駆け寄ってきました。私は茫然と立ち尽くしていることしかできませんでした。テス・プレーさんがアスト・グラッドの傍にしゃがみ込みます。

「あの私は――」

ここへ来て戸を開けただけで、と言おうとしましたが、そんな発言をすっと信じてもらえるはずもありません。

「お話はあとで。このあたりのものに触れないでください。ここはもう殺人事件の現場となってしまいましたから」

立ち上がったテス・プレーさんがそうおっしゃいました

 

 

22:00では本当に私は戸を開けてアスト・グラッドを見つけただけです。しかし、アスト・グラッドがいつどのタイミングで亡くなったのか分からない以上、自分が何をしていたのかという記憶のない20:30~21:30には不安が残ります。アスト・グラッドを憎んでいたのは確かです。何かを言われて、冷静さを欠いてしまい、つい手が出てしまった可能性も考えられます。犯人が私じゃなければいい、とは思いますが、もし私がやってしまったことならば、受け止め、罪を償おうと思っています。

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